腸内には、健康を支える善玉菌と体調を悪化させる悪玉菌がいて、腸に下ってきた食物を挟んで勢力争いをしています。善玉菌は食物を、生体維持物質や酵素の素材として変成させ、悪玉菌は、ガンや老化のもととなる不純物質に変敗させます。
こうして作られる酵素は生命活動の根源である新陳代謝を担いますが、不純物質が増えてくるとその活力が失われてゆきます。ということは、私たちの生命は善玉菌なしでは成り立たないということであり、生体は善玉菌と共生しているということになります。
残念ながら、最近は善玉菌が衰えてゆく傾向にあります。インスタントや加工食品、スナック類などで空腹を満たす簡単便利な食文化が主流になって、含まれる食品添加物の影響で体質が変わってゆきます。アトピー・花粉症・メタボリック症候群・少子化など、過去には見られなかった異常体質が、深く静かに広がりを見せています。
では、善玉菌を増やすにはどうすれば良いのでしょうか。この疑問を解く前に、先ずは悪玉菌の働きについて思いをめぐらせてみましょう。
わずか一片の腐った乳製品を食べただけなのに、腹痛や下痢に苦しんだ体験があるでしょう。それは、その乳製品を腐敗させる極めて悪い菌が腸に下って、瞬時に腸内の悪玉菌を増やしてしまったからです。これを参考にして考えると、善玉菌についても同じ結論になります。わずかスプーン一杯の最善の菌を食べれば、その菌は腸に下って多くの善玉菌を増やし、瞬時に健康を回復させることが可能だということです。
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